数次相続が発生した場合の不動産の名義変更
司法書士山本宣行のコラムです。
ご相談者の皆さまが疑問に思われるような法律手続きのお話しや普段聞き慣れない法律用語など身近な法律問題を取り上げて解説致します。
そもそも数次相続とは。
数次相続とは第一次で発生した相続の遺産分割協議が出来ない間に相続人が亡くなりさらに次の相続である第二次相続が発生した場合のことをいい講学上は再転相続ともいいます。
例えば平成29年1月1日にAが死亡(Aの配偶者は既に死亡)し長男Bと長女Cの2名が法定相続人として母親であるAを相続(第一次相続)したケースを考えます。
Aの財産に関してBとCが遺産分割未了のため不動産の名義変更登記がなされていない間に平成29年4月1日に長男Bが死亡しさらに法定相続人として配偶者であるDと長男EがBを相続(第二次相続)するため新たな相続が起こりA名義の不動産を誰が相続するのか遺産分割協議で決める場合はCとともにAの相続人であった亡きBの権利義務を承継したDとEが遺産分割協議に参加することになります。
上記の相続関係を図にしますと下記のようになります。
上記のような数次相続が発生しA名義の不動産の名義変更登記を行うケースで最終相続人に直接不動産の名義変更登記ができるか否かという問題が生じますので説明していきたいと思います。
最終相続人に直接不動産の名義変更登記ができる場合
中間の相続が単独相続である場合に限り不動産の登記名義人から最終の相続人に直接に相続による不動産の名義変更登記ができるとしています。
(参考 昭30・12・16民甲2670)
これは先ほどの相続関係のイメージ事案で説明いたしますと被相続人Aの第一次相続人である亡きBとCが「中間の相続人」となり被相続人Aの遺産分割でCと亡きBの相続人であるD、Eが被相続人A名義の不動産を亡きBが単独で相続したとする内容で協議した場合、さらに最終の相続人であるD、Eが被相続人Aから相続取得した亡きBの不動産を遺産分割協議で相続することにより亡きB名義への移転登記を行うことなくDとEへ直接に不動産の名義変更登記ができるということです。
イメージ(1件の相続による不動産の名義変更登記で足ります)
数次相続で複数相続人が存在する中間の相続が単独相続となる場合をまとめますと以下のようになります。
- 中間の複数相続人の中から不動産を単独相続する遺産分割協議書を作成した場合
- 中間の相続人が複数の場合に相続人の中の1人以外の相続人が家庭裁判所に相続放棄の手続きを行ったため不動産を単独相続する場合
- 中間の相続人が複数であったが、相続人の中の1人以外の相続人が相続分を超える特別受益者であったため不動産を単独相続する場合
最終相続人に直接不動産の名義変更登記ができない場合
中間の相続において相続人が複数のときは不動産の登記名義人から最終の相続人に直接に相続による不動産の名義変更登記ができないとしています。
(参考 昭30・12・16民甲2670)
これは先ほどの「最終の相続人に直接に相続による不動産の名義変更登記ができる場合」と同様の相続関係のイメージ事案で説明いたします。
被相続人Aの第一次相続人である亡きBとCが「中間の相続人」となり被相続人Aの遺産分割でCと亡きBの相続人であるD、Eが被相続人A名義の不動産を亡きBとCの共有持分による相続をしたとする内容で協議した場合、さらに最終の相続人であるD、Eが被相続人Aから持分による相続取得した亡きBの不動産持分名義を遺産分割協議で相続する場合はいったん被相続人Aから亡きBとC名義への共有持分による移転登記を行った後で亡きBからDとEへ持分全部移転の不動産の名義変更登記が必要となります。
結果として2件の相続による不動産名義変更の登記が必要となり2件目に行う持分全部移転の登記申請の際に持分にかかる登録免許税もさらに発生してしまいます。
イメージ(2件の相続による不動産の名義変更登記が必要となります)
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