戸籍の意味
司法書士山本宣行のコラムです。
ご相談者の皆さまが疑問に思われるような法律手続きのお話しや普段聞き慣れない法律用語など身近な法律問題を取り上げて解説致します。
相続発生した場合、まず戸籍を集めなければならない。
相続が発生すると預貯金解約手続きや不動産の名義変更等の様々な手続きが発生します。
遺言書が無い場合、相続手続きを行うには遺産分割協議書等の手続き書類に原則法定相続人全員の実印での署名捺印が必要となります。
手続きを行う銀行・証券会社や法務局等の窓口では法定相続人全員の署名捺印が揃っているかを確認証明するために故人の出生~死亡までの戸籍や相続人の現在戸籍を集めて提出する必要があります。
戸籍とはどんなもの?
日本国民の身分を公的に証明する
出生や親子の関係、縁組した場合の養子関係、婚姻や離婚、再婚、死亡といった日本国民の身分関係を証明するものとなります。
このように身分関係を証明するものなので亡くなった故人の出生~死亡までの戸籍を全て集めると子供や兄弟等の相続人が判明するため相続手続の際に証明書として利用されています。
古くは権力者が人民に賦役を課すための身分登録制度を作るようになったのが始まりといわれているようです。
明治になり政府は国内の総人口を把握するため戸籍法を施行し明治5年に全国統一様式の戸籍が作成され現代の戸籍のベースとなり現在に至っています。
戸籍の用語
聞きなれない戸籍用語の意味をおさえる
除籍の意味(1)
戸籍内に記載されている方全員が婚姻や死亡で取り除かれ結果として戸籍簿を除籍簿に移された戸籍のことをいいます。
除籍された全部の写しのことを「除籍謄本」といいます。
除籍の意味(2)
戸籍内に記載されている特定の人が婚姻や死亡で戸籍から取り除かれること自体を「除籍」といいます。
改製原戸籍の意味
戸籍は明治以降、法律の改正やコンピューター化などにより作り変えられてきました。
このことを「改製」といい改製前の戸籍は「改製原戸籍」といいます。
改製されると本来は身分の変遷事項に変わりないところ前の戸籍記載事項で写しかえられない事項も存在するようになります。
仮に改製前の戸籍では子供がおりその子供が婚姻したため戸籍内で除籍されるようなケースでその後に法律が変わり新たに戸籍が改製されるとその子供に関しては新しい戸籍に移されません。
すなわち改製前の除籍された人は省かれ改製当時に在籍した人のみを移して新しい戸籍となります。
このように改製原戸籍を確認してみないと法定相続人が抜けてします可能性がありますので注意が必要です。
戸籍再製の意味
戸籍は天災や戦争などで戸籍が無くなってしまった場合や損傷により将来見えなくなるような場合には戸籍を回復させるために戸籍を差し替え作りなおすことがあります。
これを「戸籍の再製」といい」従来の内容のまま記載されますので「戸籍の改製」とは異なるところです。
仮に戸籍が完全に廃棄や焼失してしまい再製ができないような場合は自治体に廃棄した事などに関して証明書の発行を依頼し相続手続きの証明書として利用します。
戸籍転籍の意味
本籍地である戸籍の所在地を別の所在地へ移すことを「転籍」といいます。
転勤などで引っ越しされ今までとは異なる新たな市区町村役場とする住所地を本籍地としたようなケースをいいます。
転籍先が異なる市区町村役場の場合、従前戸籍は除籍され転籍先の市区町村役場で新たに戸籍が作成されます。
転籍先が同一の市区町村役場内の場合は転籍の記載は従前戸籍の「事項欄」に記載されます。
戸籍附票の意味
戸籍の本籍と戸籍に記載されている人の住所を関連させて本籍地の情報から住所の変遷を記録したものを「戸籍附票」といいます。
相続人の住所が直接わからないケースで本籍の情報を調査して戸籍の附票から相続人の住所を調べることも可能となります。
戸籍の請求先について
市区町村役場で請求する
亡くなった故人の出生~死亡までの戸籍を全て集めるような場合に注意が必要なのが今現在の本籍地がある市区町村役場だけで目的とする「全て」の戸籍が取得できるわけではないということです。
幼少期の養子縁組、再婚や出身が地方の方など転籍を多くされているようなケースでは最後の住所を管轄する市区町村役場以外にも従前の登録されていた本籍地で除籍や改製原戸籍があるため戸籍(除籍・改製原戸籍など)は本籍地の役場の取り扱いとなりますので取得したい戸籍の本籍地を管轄する市区町村役場へ請求する必要があります。
戸籍の情報を読み解きながら従前の取得すべき戸籍の本籍地を調べていく必要があり人によっては遠方で戸籍の量が多くなることもあり煩雑となってしまうこともあるようです。
ちなみに「謄本」と「抄本」古くは権力者が人民に賦役を課すための身分登録制度を作るようになったのが始まりといわれているようです。
明治になり政府は国内の総人口を把握するため戸籍法を施行し明治5年に全国統一様式の戸籍が作成され現代の戸籍のベースとなり現在に至っています。
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相続手続きは多くの方の人生にとって数回あるかないかの手続きかと思います。
故人に対する悲しみも消えない中で手続の窓口に行くと専門的な用語や慣れない煩雑な手続で肉体的にも精神的にもさらに負担がかかってしまいます。
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